2012年2月3日金曜日

企業は株主のもの、じゃない。「21世紀の国富論」

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21世紀じゃないほうも、もちろん読んでません。

実は最初のほう、あまり面白くありませんでした…。

ROE偏重の危険

著者は語ります。アメリカでもてはやされているROE(株主資本比率)偏重がいかに危険か。ROEは利益を株主資本で割ったもの。だから利益を大きくすれば上がるが、逆に分母である株主資本を小さくしても上がる。ということは、資産を小さく(工場の売却や従業員の解雇)して、見せかけ上優れたROEに見せることが可能だということ、だそうです。ほうほう。

まあ、ROEなんて言葉があまり私の生活に出てくることもない。私が計算して割り出すのはオムツ1枚当たり単価くらいなので全然大丈夫です。しかしオムツって同じパンパースでも微妙に入り数が違って、計算するのメンドいですよね…。計算してから「+6枚」って文字見つけたりして。

ベンチャーキャピタル

第2章にはデータベースの話があり、ちょっと訳わかんないんですけど。となっていると、次の章から急に面白くなりました。

その第3章は、起業するベンチャー企業を助ける「ベンチャーキャピタル」の話。著者自身もベンチャーキャピタリストの一人だそうです。
言葉は聞かなくもないが、あまり何しているかよくわからない。そんなベンチャーキャピタルのことが書かれていて、最初の興味の薄さから一転、しっかり読んでしまいました。

創業者が社長とは限らない、ということには驚きました。アメリカでは社長は別にいて、創業者は開発部部長、なんてことも多々あるそうです、創業者イコール社長だと思い込んでいましたが、確かに優れた技術や発想を持っているからといって、マネジメントも優れているかといえば、そうとは言えない。日本のよくある階層式な役職構造が当たり前だと思っていましたが、そうとは限らないのですね。

企業は株主のもの?

そしてよく言われる「企業は株主のもの」。企業を私物化している創業者が問題になったときに、海外では常識だろ。みたいな感じでよく聞く言葉。
私もきっとそれが正しいのだろう、と思っていましたが、もちろん全てにおいて正しい、なんてものは存在しません。

その株主が短期の利益を追求する(ROEを重視する)なら、資本を削ってでも決して長い目でみた会社のためにはならないことも会社に要求する。
そんな株主には「企業は株主のもの。」とは言われたくないですね。会社は社会全体のものであり、「会社の役目は社会に貢献すること。株主が受ける利益はその結果にすぎない。」というのはなるほどなあと思いました。


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